経営者, マネージャー, リードなら知っておきたい、録画の力。
1ボタンで社内の透明性と生産性を上げられる方法があると言ったら、どうしますか? 情報伝達効率が上がり、ナレッジや課題感が素早く共有され、より速く・より多くのメンバーがツーカーになる。そんな方法があるんです。プロジェクトにとってイイことだらけな、リモートワーク時代の会議術をシェア!
「あのプロジェクトが
いまどんな進捗なのか分からない」「評価すべき役割を果たした
メンバーが居たと後から知った」
「ミーティングばかりで仕事にならない」
「社長が何を考えているのか分からない」
「自分の知らない間に
仕様変更があって、急に言われても困る」「デザインレビューで
後出しジャンケン的な口出しをされた」
こんなこと、ありませんか?
特に、リモートワークになってから。
私はこれまで長らく有効な答えを用意できずリモートワーカーとして皆さんと苦労を共にしていたのですが、ここ1年ほどで、ようやく自分なりの解を得ました。
上記のようなことは今ではすっかり身辺では身を潜め、自信を持ってリモートワークかフル出勤かを問わず、コロナ以前と同じ、いやそれ以上の成果やコミットを約束できるようになりました。
吉永さん完全にリモートワークだけど、
全然そんな感じしなくて、なんかオフィスにいるみたいな感じ
これは実際にあるメンバーから言われた言葉です。
これを達成するのに一役も二役も買っている「録画」について、今日はシェアします。会社にとっても個人にとっても、よりよい仕事の進行にお役立ていただければ幸いです。
タイムスタンプ付きの録画
tl;dv
結論として、お手伝いする会社で、tldvというツールを導入することをよく提案しています。
tldvは、MeetsやZoomで行う会議・ミーティングをタイムスタンプ付きの録画として残せるソリューションです。
tldvについて最初に提案を受け入れてもらい導入したクライアントはSTANDS社1でした。同社では2022年の5月から使用しています。約1年間継続して利用していることになりますね。
私たちは極力こちらを使ってミーティングを残すようにしており、今では大量の録画を持っています。
大きな効果
ただ、tldvはあくまで手段です。ツールの話は一旦置いておきましょう。以下でtldvの名前を出すことはありますが、それは”タイムスタンプ付きの録画”と置き換えて読んでみてください(少なくとも1回目は)。
重要なことは、タイムスタンプ付きの録画を残せるというのがとても良い体験だったということです。
が、体験したことがない人にとっては録画の何がそんなにいいの?と思われることでしょう。
そこで、皆さんの導入の意思決定を補佐できるよう、現在私たちが得ている効果を言語化してきました。
4つの大きな効果と1つの小さな効果をご紹介します。録画はいいぞ。
大効果1:認知能力の向上
1-1. 他人の仕事へのアクセス
この価値で解決される例↓
「評価すべき役割を果たしたメンバーが居たと後から知った」(マネージャー)
「自分の知らない間に仕様変更があって、急に言われても困る」(エンジニア)
「あのプロジェクトがいまどんな進捗なのか分からない」(経営者)
「開発チームがユーザーの反応や声をロクに知らない」(CS)
「あのメンバーがいまどんな仕事をしているのか分からない」(マネージャー)
上記のような困りごとは、コミュニケーションやマネージャーの気配り不足などの属人的な問題と捉えることも出来ます。しかし実際には組織としての認知能力に根本的な問題があることがあります。
問題が起こるのは、他人がどんな仕事をしているのか, どんな会話や議論をしているのか知ることが難しい状況においてです。
この状況では徐々に起こっていることについての認知能力が低いので、話が回ってきた時には話がすでに完結しており「なにそれ」「知らない」「急だ」と感じ、メンバーのオーナーシップが下がるわけです。
一方、会議の録画が常識となった環境では、自分がいない場での会話が聞こえるようになります。これは社内にある議論や課題を認知しやすくし、直接会話していなくても課題感が共有される効果をもたらしました。
例えば先日、社長さんがあるメンバーに対し「tldv見たんだけど〜」とSlackで声をかけて、颯爽と懸念事項を解決していました。
こういった組織としての認知能力は重要です。
特に経営者の視点だと顕著で、例えば10X社矢本さんのブログ記事『組織と人事に向き合ったCEOの12ヶ月』には次のような記述があります。2
…実際には品質に対しても、”事前に・自律的に” 対処を試みてくれていたメンバーが複数いたものの、本来の職種業務から逸れる場合には評価も称賛されにくい状況でした
── 組織と人事に向き合ったCEOの12ヶ月
同記事ではこれが遠因である問題が起こり、その後組織改編を行ったことが記されています。
つまり、組織と制度に社内の出来事への認知能力不足があり、それを遠因に問題が起きた とリフレーム出来ます(関係ないですが矢本さんのブログとても勉強になります。おすすめ)。
つまり認知能力の高さ/低さは組織レベル・経営レベルの問題になり得るということです。
あるいは仕事を任せる立場にあるマネージャーやリードにとっても、議論や共有の様子といった形で進捗が分かれば「進捗どうですか?」とマイクロマネジメント気味な問いかけをする代わりに「頑張ってるね」と声をかけられます。これは心理的安全性にも寄与します。
1-2. 情報格差の是正
この価値で解決される例↓
「社長が何を考えているのか分からない」(社員)
「マネージャーの考えが急に変わって共感できない」(社員)
「デザインレビューで後出しジャンケン的な口出しをされた」(デザイナー)
「オフィスで物事が決まり、リモートワーカーには結論だけが回ってくる」(リモートワーカー)
認知能力の向上と通底して、情報格差にもある程度是正がありました。
例えば、自分のようなリモートワーカーかつフリーランスのメンバーは一般的には正社員と比べ軽んじられやすく、会社や組織にとって重要なことを話している場(全社発表会など)には呼ばれないことが少なくありません。
これによって過去に所属していた会社のいくつかでは、知らない間に色々なことが変わり、他の皆はそれを知っている中で自分だけ古い情報で仕事している、といったことが起きました(苦労しました)。
一方、STANDS社では呼ばれなかった会についてもtldvで録画されており、それを見て後から容易にキャッチアップすることが出来ました。
これはリモートワークやフリーランスの積極的で有効な活用にも繋がり、リソース不足の解消や軽減に寄与します。
大効果2:ミーティングが資産化する
2-1. 忙しい人への対応
この価値で解決される例↓
「ミーティングばかりで仕事にならない」(経営者, マネージャー)
録画にタイムスタンプがあると、忙しい人を必ずしもMTGに呼ばなくてよくなり、シンプルに物事の進みが速くなります。
タイムスタンプを付けて共有すると要点だけを振り返りやすいため、忙しい人でもMTGに参加するより効率的にキャッチアップできます。
Slackに貼れば、要点とともにアテンションを惹きます。1つの会議術でありファシリテーション術ですね。
2-2. 非同期的に同期する
この価値で解決される例↓
新しいメンバーがアサインされた時、文脈を共有するのが難しい(リード, マネージャー)
知見を、その場にいた人しか吸収できない(勉強会など)
一度行ったMTGで説明している箇所を引用したりURLを案内することで、文脈と一緒に議論を後から共有することが出来ます。
例えば従来では、配置転換やアサイン変更で新しいメンバーが来た際、プロジェクトに存在する文脈をオンボーディングするのは難しい…というかほとんど不可能です。
なぜなら、文脈はプロジェクト内で脈々と行われてきたやりとりや議論によって成り立っており、その時その場にいなければ普通は吸収できないからです。
しかし録画にそれら過去のやりとりが探しやすい形(例えばテーマ別の時系列順)で残っていれば、普通に説明することでは不可能な文脈を共有できます。
あるいは、勉強会や興味深いテーマについての議論など、他のメンバーにとっても関心のあるミーティングについても後からキャッチアップできます。使いようによって、ナレッジ伝達効率も高まるわけです。
小さな効果
ハドルとMeetsの棲み分けが少し明確に
この価値で解決される例↓
「Slackのハドルと他のMTGツール両方ある意味が分からない」(社員)
今や、オンラインミーティングツールは無数にあります。1つの会社に3つ4つのミーティングツールがあることも普通でしょう。
しかしながら、どのMTGツールも出来ることが同じなので、全てハドル(≒Slack)でいいじゃないか、1つに統一した方が分かりやすくていいじゃないか、と思われることがあります。
ただ、ミーティングについては現状、1つに統一すると様々な問題があり、これを説明することは簡単です。が、感情的な問題には正論はあまり機能しません。分かってるけど気持ち悪い、と感じるだけです。
一方tldvの存在は、理由を説くよりも自然で納得しやすい形──つまり実感──で次の棲み分け像を生み出しました。
ハドル:その場で解決できること, テーマの無い雑談, さぎょいぷ
Meets(やZoom):録画すると後で役立つかもしれない議論や共有、ワークショップ
録画の便利さを実感することで「この話題は録画に残した方が後で便利か?」という判断基準が自然と生まれています。
まとめ
整理すると、タイムスタンプ付きの録画を使って、私たちのチームでは次の価値を実現しています。
認知能力の向上
他人の仕事へのアクセス
情報格差の是正
ミーティングが資産化する
忙しい人への対応
非同期的に同期する
ハドルとMeetsの棲み分けが少し明確に
また、tldvは1つの手段ですが、私たちが探した中では他の手段よりも優れていました。特に、起動しやすい, アクセスしやすい, 探しやすい, Slackでの展開時にタイムスタンプが出る、というのがおすすめポイントです。
以上、録画による効果の言語化でした。
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さて、本日は以上です。
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